フルート吹きが何やら記録を残したいようです。

フルート指導を受けている筆者が気づいたこと・書き残しておこうと思ったことへの公開記録帳。

導音の替え指1〜d5-c#5/d6-c#6

 アルテス第二巻の指導が進んでいますが、ついに懸案の第18課に突入。

 私が使っているアルテス2巻はシンフォニア版ですが、購入直後にパラパラ捲った時にまず導音のところが最初の山場だろうな、とは思っていたのでついに来たと。

 

 そもそも「導音」ってなんですのん、というところ。

 導音はドレミ順で言うところの、「シ」に当たる音。音階上7番目の音で「vii」と記されたりします。

 この音は次のド=主音「 i 」へ解決に向かいたくなる音のため、主音側に気持ち引っ張られ、結果主音側に音程が寄る(→通常より音程を高めに取る)と気持ち良く聴こえることから、音程を高めに取るべき音とされています。

 現代は平均律が浸透していることから、楽曲構造上、導音を高く取る必要性は減っているようですが、一種の替え指としての機能を持つ場合もあります。

 このことから、フルートの導音運指は楽曲の歴史的背景として導音運指を用いる必要がある場合と、装飾音やフレーズ上必要な場合の演奏する際の替え指としての機能を持つ場合で現在は用いられるようです。

 

 で、導音運指表が見開き一面に書かれてる訳ですよ。

 (どんな運指表かは↓アルテス2巻のIMSLP版の18課(P120-121)に記載されてる運指表を参照)

Méthode de flûte (Altès, Joseph-Henri) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

 

 これ…覚えきれるのかな?

 と心配してたんですが、先生の台詞にびっくりしましたよ。

「これ全部を覚える必要はないけど、必要性高いものは習得必須なのでやってくよー」

 …あ、これ導音運指全部習得しなくてもいいの?

 逆に習得しなくて大丈夫なの? という不安はありますが。

 

 指導してくれる導音の替え指は必ず今後の装飾音奏法の習得に必須になるそうなのですが、取り敢えずまず習得しなくてはならないのが、以下の2つ。

 

・d5-c#5

   d5 : L1・3・5 / R2・3・4

 ※c#5:L (none) / R2・3・4 (⇒左手キー全部離す)

・d6-c#6

  d6:L1・3・5 / R5(Es)

 ※c#6:L1・3・5 / R3・4・5(Es)

 ※が通常運指と違う運指

 

 要は第2オクターブと第3オクターブのレ-ド#-レです。

 第18課No.1 G-durの中で出てくる箇所があります。

 

 ちなみにd5-c#5の替え指は導音運指表にあるものと違うようです。

 導音運指表だとc#5はd5運指に対してR5(Cis)を押さえる形になってるんですよね。 替え指としての運指はどちらも使えておいて良さそうではあります。

 

 ちなみに導音運指表見ると、導音再現するに際し「穴を半分閉じる」という奏法が用いられることから、アルテス2巻入ってここやるとなるとクローズドキーこれ出来ないような気がするんですが、クローズドキーの人はここの課どうするんだろう?

 ちなみに半分開けるというというのも厳密ではないらしく、音により1/3だったり、2/3だったりするようです。またリングキーの場合は、穴を押さえずリングのみ押さえる事の方が良いという解釈もあるそうで。

 奥深いなぁ…と。

 

 早速上記2つの導音運指と、導音運指表の運指も練習してみたんですが…

 案外関連付けされている運指と明らかに違う運指は少ないことから、導音運指は練習すれば覚えにくいものではなさそうです。

 実際基本運指をまず正しく覚える事が大切なのは変わりがないので、その上で導音運指や今後覚える事になるトリル運指を正しい運用で使える事になるのがいいんでしょうね。

 楽器の練習は一朝一夕でどうにかなるものでもないので、日々コツコツ練習を積み重ねていくことで習得出来るものだと信じて練習していくことにします。

 

追記:

 導音の説明部分で解釈相違があったようなので、次の導音記事に書きました。

 こちらもご覧ください。

導音の替え指2〜g5-f#5 - フルート吹きが何やら記録を残したいようです。

「アルテス」は実はネットで見れるんです。

 今日はフルート教則本としては超有名な「アルテス」について。

 

 学生時代、アルテス1巻を使っていた頃は、多くの人が良く使う黄色い表紙のJFC(ジャパンフルートクラブ)版を使ってました。 

 ちなみにJFC版は「アルテ」と読むようです。正しい発音は「アルテス」が正しいようですが…。

アルテフルート教則本 第1巻

アルテフルート教則本 第1巻

 

 

 勿論JFC版もいいのですが、何となくローカライズ感を感じてしまっていて、再度基礎の基礎、最初からやり直すに際して、「なるべくJFC版ではないアルテス使いたい」と思うようになりました。

 そんな事もあって、先生に指導を受ける事にした際にアルテス教本の1巻を入手した時は山下兼司先生編のドレミ出版版を使うことにしました。

 この本は説明が少ないので独習の方には向いていないかもしれませんが、楽譜が大きくて見やすいこともあり、先生に指導を受ける場合の選択肢としてはありだと思います。 

アルテス フルート教本[初級] 山下兼司 編著

アルテス フルート教本[初級] 山下兼司 編著

 

 

 ただ、これから購入するという人は、基本的にはシンフォニア版お勧めします。

 説明が原著に一番近いこと、原書に対しての訳注もついているため、原書版の解説に対して現在の奏法としての注意点が記されているので、理解しやすいです。

 現在2巻はシンフォニア版で指導を受けていますが、JFC版だと楽譜がデュエット譜になっていないそうです。シンフォニア版はデュエット譜なので先生と合わせることで、リズムやハーモニーを合わせる訓練にもなりますし、また楽譜のコード構成を理解するためにも繋がるため、それを聞いて即決で選択したのですが、本当にいいです。

 楽譜の記譜が少し小さめなのが唯一のネックですが、大丈夫、読めます。

 別途シンフォニアの1巻買い直ししてもいいなと思う程なので、お勧めです。

 ※勿論第一巻もあります。 

 

 そして、ここからが本題なんですが。

 実はアルテス、そのつもりであればネットで入手出来ます。

Méthode de flûte (Altès, Joseph-Henri) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

 ここに第1巻〜第3巻までPDFで公開されています。IMSLP(国際楽譜ライブラリープロジェクト)に沿って公開されているので合法的に入手可能です。

 ※国際楽譜ライブラリープロジェクトについては以下を参照。

国際楽譜ライブラリープロジェクト - Wikipedia

 

 但し英語版で相当古い版なので、これを印刷して先生に指導を受けるのは余りお勧め出来ないです。先生に指導を受けるのであれば、出来れば教本は自分で購入しましょう。先生も多分やりづらいと思います。

 ネットやメールなどで「アルテス2巻の◯課のNo.1の楽譜の◯◯がね」とかいうやりとりをする際に、このpdf使うのは便利です。

 あと1巻や2巻終わって、次の巻はどんな感じなんだろう、と確認するのもいいですね。

 あと時々出版されているアルテス、誤植が時々あるようで、その時にこちらの版で確認するという方法もあります。楽譜に誤植ある場合結構あるみたいで…。

 

 ちなみにアルテスの楽曲、結構演奏してみるといい曲多いです。

 長い事愛されている教則本なのは納得出来ます。

12調性スケールの苦手克服練習法。

 学生時代の楽譜が♭調性が多かったこと、しかも特定調が多かったために、それ以外の調が苦手となってしまった。

 スクールバンド系出身者は同様の人が多いんじゃないでしょうか。

 吹奏楽編成の楽器はB管・Es管が多く、他にもF管だったりと♭調性に何かと御縁がある関係で、C管楽器であるフルートは必然的に♭調性の楽曲が増えてしまいがち。

 そのため、基礎の基礎から練習していくとそれ以外の調性スケールとアルベジオが案外手こずることになるのです。

 何を隠そう、私がまんまとこの落とし穴に落ちました。苦手意識酷かったです。

 

 フルート練習を再開しようとした際、基礎の基礎からやり直そうと、それこそアルテス1巻の最初からやり直しを希望して今に至るのですが、それとは別に音楽関係の友達から「12調性は対等な関係だから、全調性頭に入れておける位になっておいた方がいいよー」と言われた事もあり、この苦手意識の克服をするに至った訳ですが。

 

 12調性は対等である、とはいえ、管楽器の場合は運指がそれぞれの調性に合わせて造られている以上、運指上では簡単に対等に扱えないのも事実。

 まず仕組みを理解するが先決と考え、「12調性は対等である」を考える訳です。

 

 まず基本となる音階。基本平均律長調で考えます。

 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド。

 ドとレの間は半音2つ分、ミとファは半音1つ分の「音程」があります。

 ド〜ドの間の音程を半音何個分として全部を並べると以下の通り。

 ドーレ  半音2つ

 レーミ  半音2つ

 ミーファ 半音1つ

 ファーソ 半音2つ

 ソーラ  半音2つ

 ラーシ  半音2つ

 シード  半音1つ

 このドードの「2・2・1・2・2・2・1」の音程関係はどんな調性に行っても同様。

 鍵盤楽器のミーファ、シードの間が白鍵同士なのがこの半音1つの関係。

 そして、どの音からスタートした音階でもこのルールは崩れません。

 これが「12調性全ての調が対等である」一つの理由。

 

 では、ドから半音ずつスタートする音を変えた場合、上記の音程ルールを適用し、五線譜に順番にスケールを記述していくことにします。

 (私は理解のため実際に書きました)

 

 以下、各調をアメリカ式で記述。↓の内容を五線譜に順番に記譜します。

 

key of C   c・d・e・f・g・a・b・c  (none)

key of D♭  d♭・e♭・f・g♭・a♭・b♭・c・d♭ (♭5)

key of D  d・e・f#・g・a・b・c#・d (#2)

key of E♭  e♭・f・g・a♭・b♭・c・d・e♭ (♭3)

key of E  e・f#・g#・a・b・c#・d#・e (#4)

key of F  f・g・a・b♭・c・d・e・f (♭1)

key of F#※ f#・g#・a#・b・c#・d#・e#・f# (#6)

key of G♭※ g♭・a♭・b♭・c♭・d♭・e♭・f・g♭ (♭6)

key of G  g・a・b・c・d・e・f#・g (#1)

key of A♭  a♭・b♭・c・d♭・e♭・f・g・a♭ (♭4)

key of A  a・b・c#・d・e・f#・g#・a  (#3)

key of B♭  b♭・c・d・e♭・f・g・a・b♭ (♭2)

key of B  b・c#・d#・e・f#・g#・a#・b (#5)

 

 key of〜は、〜音から始まる長調スケールの意。

 ( )内は各調のスケール内のド〜シにある#や♭の数。即ち楽譜の頭に記載される調性記号の数。

 ※key of F#とkey of G♭は実際に演奏される音は同じ。従い実質は同じ音のスケール。

 

 これを書いていくと、ある法則が理解出来ます。

・調性記号の数は#と♭で対照的に付与されている。(上記参照)

・#はその調のシの位置に追加されていく。

・♭はその調のファの位置に追加されていく。

・そう考えると、♭と#が追加されていく音は対称性がある。

 ♭ シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド・ファ

 # ファ・ド・ソ・レ・ラ・ミ・シ

・上記から♭は音が5つ下がり、#は音が5つ上がって調号付与されているのが判る。

 まあこの法則を「5度圏」と言うのですが。

 

  要は

 ・どの音からスタートした時に、何個分の#や♭がつくかの法則を覚える

 ・#や♭が付く順序の法則を身につける

 ・あとはそのスケールを構成する音と音の間の運指を身につける

  ことで目標を達成出来る訳です。

 

  上記を五線譜に書いたら、実際に順番にスケールを練習してみます。

  最初は出しやすい音がいいと思うので、key of Cのc5-c6のスケールからはじめ、音を上行してスケール練習し、key of F#でf#5-f#6に到達したところで、key of G♭でg♭4-g♭5と1オクターブ下げて、更に音を上行してスケール練習し、最後のkey of Cでc4-c6で終わると無理なくスケールの特色を理解出来るかと思います。

 慣れたらそれぞれやってない音域を含めて2オクターブ練習していきます。

 

 多くの教則本は♭1つ→♭2つ→♭3つ…というようにスケール練習していきますが、上記の半音ずつスタート音を変えて練習していくと、その調性の音の色合いが少しずつ違うのが理解出来ていきます。

 

 最初は1つか2つずつ、正確にスケール練習していき、最終的に全ての調を通して正確に演奏出来るようにコツコツ練習していきます。

 練習メニューの一つに追加する程度で良いので、練習の都度やっていきます。

 数ヶ月やってると「全ての調を対等に」演奏出来る基礎が身につきます。

 つまり「沢山#や♭がついても泣かない」ようになります(笑)。

 

 慣れてきたらリズムパターンを変えたり、スラーやスタッカートなど含めて練習していくと、毎日のスケール練習メニューとして色々活きてくるかと。

 それに馴れたあとにアルベジオや各種短調スケール練習に変換していくと、色々バリエーション出来ますね。

 

 面倒かもしれませんが、こうやって自分で五線譜書きながら進めると、仕組みの理解出来たり、自分の練習メニューを作りやすかったりします。

 五線ノート1冊手に入れて、お試しください。

楽器を買うという行為。

 ある日のレッスンでの出来事。

 先生から「これ見て」と見せられた画像。

 見てみるとフルートの頭部管がガッツリ凹んだ画像。

 教えている学生の生徒さんがうっかり何かにぶつけた結果らしく、フルート工房の人に見せたら「これはメンテではなくて修理ですねー」と言われたとのこと。

 実際、私の目から見ても「あー、これはちょっとのケガではないなー」と。

 その生徒さんの楽器購入の際に相談を受けたらしいのですが、こうなるのであれば国内に工房の無い海外メーカーではなく、国内メーカーにさせるべきだった、と。

 その生徒さんがどの位の技術レベルなのか分かりませんが、話の中身の限りだと中高校生のようなので、恐らく親に買って貰った楽器だろうなと。

 凹ました本人は反省してないようで、買い替えの相談受けたらしいんですが、どうしたもんだかと先生も苦笑してました。

 

 あるところのフォーラムでも、中高校生が親に楽器を買ってもらうに際して、100万クラスの楽器の買い替えを相談していたりするのを見て、そんな頃から高価な楽器を親に買い与えられるのってどうなんだろうという話題を見ました。

 これも時々色々な所で出る話題ですよね。

 

 楽器を買うという行為。

 以下は自分の経験や色々な方から話を伺った上での、私個人の持論です。

 楽器にもピンキリあるので、一律的に言うことは出来ないと思うのですが、例えば学校で部活はじめて、色々演奏出来るようになってきたところで自分の楽器が欲しいというのであれば、そんな高級な楽器をいきなり買う必要はないと思うのです。

 特に親が購入するのであれば尚更。お小遣いをためた場合でも同様。

 子供や学生の頃って、お金を稼ぐという行為の本質を知らない場合が殆どで、自分が働いて買うのとでは、その背景にある「モノへの価値観」が全然違います。

 メンテナンスの点考えると、国産メーカーのエントリーモデルで充分。

 それを使って使って使い倒して、自分が働いて購入出来るようになってから、自分が憧れていたメーカーの上位モデルに買い換えるのでも遅くないと思います。

 その感慨は買い与えられたものより断然大きく、大切に扱うようになります。

 また高価な楽器を購入して、その後飽きてしまったりしたら、折角の楽器が勿体無いです。

 演奏する本人が本気になるなら、他人の力借りずとも、自分の努力で購入するかと。

 私のかつての上司はサックス奏者で、仕事面でも尊敬される程の実績があり、その成果で楽器を購入されてました。仕事帰りに練習通っているのを知っていますが、本当に大切にされているのが判ります。

 

 私は学生時代にどうしても自分の楽器が欲しくてある国産メーカーのエントリーモデルを購入しました。それはお小遣いをためたもので買ったものです。

 その後社会人になるまで色々なメーカーの楽器を検討し、社会人になってから2年のローン組んで念願だったリングキーの楽器を購入しました。

 その楽器は今でも現役です。高級モデルではありませんが、今でもメンテナンスしながら大切に使い続けています。

 

 どんな形でも巡りあわせで自分の手元に来た楽器です。

 たくさん練習して、たくさん演奏して、そして大切にメンテナンスして、永く付き合っていきたいものです。

 

 私も新しい楽器が欲しいなぁと思うことはありますが、次はある程度の技術備わって、H管使いこなせる技量が身についたらかな…。

 さて、何年先の話になるのでしょうか。。

 

※追記

 元々プロを目指して、先生からの指導の上で高級モデルを購入する状況もありますが、今回の話はそういった「一生の覚悟を決め、命懸けでフルートで生きていく」人ではない前提でのお話ということで。

 音楽で生きていく覚悟を決めるような方々は、それこそ命懸けで楽器購入することになるのでしょうし、そこまでの覚悟決めて購入される楽器なら、楽器も本望かと。

 音楽で生きていっている人達は本当に凄いなと痛感します…。

b♭の3通りの運指の使い分け。

 マーチングや吹奏楽を中心に演奏している人は、他の調性楽器の影響もあり、基本♭が付く調性の楽譜の演奏機会が多いです。というかかなりの確率でそうです。

 お陰でそういった環境の人は♭2〜4の調性の楽譜ばかりを演奏するため、#が付く楽譜を初見で演奏するとなると面食らうという人も少なく無いのではないでしょうか。

 

 12調性の慣れ方についてはまた別の機会に書くことにしますが、まあそんな訳でこういったスクールバンドでb♭を演奏する機会が多い人が気付かない運指の問題を書いておこうと思います。

 フルート奏者から直接指導受けてる人は当然の知識なんでしょうが、スクールバンドでこれ指導してくれる人はよっぽどフルート専門的に知ってる人でしょう。

 事実、私も指摘された時に「んなこと知らないよー」と心の内で悲鳴上げました。

 

※ここでの音名オクターブ表記は国際式に沿って記載します。

音名・階名表記 - Wikipedia

 

 ここで問題になるb♭は、b♭4とb♭5(=a#4とa#5)の運指。

 この運指、3通りあります。

 左手L・右手R、親指1〜小指5として記載します。

 1.L1・2、R2・5(D#レバー)

 2.L1(ブリチアルディキー)・2、R5(D#レバー)

 3.L1・2、R2(Aisレバー)・5(D#レバー)

フルート - 楽器解体全書PLUS - ヤマハ株式会社

 (↑特殊キー名称はこちらで確認)

http://www.yamaha.co.jp/plus/common/img/flute/ja/fingering.pdf

 (注:↑の運指表には運指3の記載がありません)

 

 基本的には運指1で指導を受けますが、♭調性の曲を演奏する機会が多いとなるとブリチアルディキーが便利なこともあり、気が付くと運指2を常用するようになります。

 そういう私もそうでした。殆どのb♭を運指2のブリチアルディキー使ってました。

 

 ところが、ある日先生から指摘を受けます。

「半音遷移する場合はブリチアルディキー使っちゃダメ!」

 ここでの半音遷移は「b♭とb」の遷移。

 これをブリチアルディキーで演奏すると左手親指をずらさなくてはならなくなります。

 この半音遷移をブリチアルディキーで行うと、素早い遷移などの演奏が出来なくなるため、演奏上NGなのだそうで。

 では、運指1なのかと思いきや、正しい運指は「Aisレバーを使用」の運指3なのだそうで。

 いや、今までAisレバーの存在知ってたのですが、これ何に使うんだろうと思いつつ、まさかここで本当の使い道知ることになるとは思いませんで。

 ずっとトリルキーか何かと思ってました…。

 

 事実、「b♭-b」遷移が発生するスケールをAisレバー使って演奏出来るように

なると、ブリチアルディキー使うよりスムーズに演奏出来るようになります。

 

 では、運指1は使ってはいけないのか。

 NGではないようですが、運指1を使った場合、トーンホールがR2絡む所が塞がる事から、やや音程が低くなるようです。

 但し、運指1を使わなくてはならない場合もあるようで、右手が絡む運指遷移がある場合はAisレバーを使わず、運指1のR2を使うべきとのこと。

 (例:b♭-f〜dのような場合)

 

 ざっくりしたまとめで言うと、

 b♭-bの遷移が無い♭調性→基本運指2 (ブリチアルディキー使う)

 b♭-bの遷移が無い#調性→基本運指3 (Aisレバー使う)

 b♭-bの遷移がある調性全て→基本運指3 (同上)

 上記の運指3を使う調性で、右手が絡む運指遷移がある場合

   →その時は運指1を適用 (R2使う)

 ということになります。

 勿論譜面上で運指遷移上、上記ルール付けと異なる運指適用しなくてはならない状況もあります(楽譜上で調性変化するなど)が、まあ状況により使い分けをしなさい、ということですね。

 

 最初は「使い分けこんがらがりそう」と正直思いました。

 ただ、使い分けしていくうちに、「何故そうなのか」が運指上で理解出来てくると

演奏上楽になるのも事実です。

 またb♭-b遷移がある調性の練習していく上で使い分け出来ると大きいので、

知らなかった方は是非チャレンジしてみてください。

 

 いや、本当に謎のキーだったんです…「Aisレバー」。

 長年の疑問がこれで解消されました。知らない人、結構いると思うんだけどな…。

最初に…記録を残す理由。

 単刀直入に言うと、記憶力に自信無いんです。

 

 そして指導を受けなければ知らない事が続々出てくる訳です。

 レッスン時間中にメモ取る時間があればいいんですが、限られたレッスン時間内にメモ取る余裕が無いので、レッスン終わった後に必死でメモするのです。

 ところがこのメモした内容が案外後で再度確認したいことが出てきたりするし、また他の人も「教えて貰わなければ知らない」事が結構あるんじゃないかと。

 まあそんな訳で、基本自分の記憶保管庫の記録なんですが、ご覧になられてる方も同じ悩みや知識を共有出来たらいいなーということでここに記録を残す事にしました。

 

 指導する先生により考え方が色々ありますし、書く内容により私自身の考え方もありますので、記載した記録の情報選択はご覧になけれた方にお任せします。

 という訳で、上記ご理解いただきまして、どうぞお付き合いください。

 

・書き手の自己紹介

 

 アヤ

 フルート歴十数年。

 小学生時代よりマーチング・吹奏楽などを通してフルートを演奏。

 社会人になり数年で演奏活動を休止。

 相当のブランク期間を経て、フルート演奏を再開するべく個人指導を受けはじめる。

 現在アルテス教則本2巻の指導受講中