フルート吹きが何やら記録を残したいようです。

フルート指導を受けている筆者が気づいたこと・書き残しておこうと思ったことへの公開記録帳。

「シの出る楽器ありませんか?」

 ある日、某楽器店で楽器を見ていたところ、年齢的に結構上だろうな、という女性が勢い良く入店してきまして。

 楽器ケースらしきものも見えたので、恐らくフルートやっている人だろうと推察したのですが、その人が店員に言った台詞が↓。

 

「シが出る楽器があると聞いたんですけど、どんな楽器ですか?」

 

 シ……ああ、もしかしてH管の事か。

 まあ確かにシの出る楽器ではあるけど、…H管という言葉知らないで聞いてるのか。

 うーん、だ、大丈夫なのかな。。もの凄く気になる……。

 

 店員が対応している会話聞いて、段々ドキドキしてくる展開に。

 ( )が私の心の声です。

※言葉は正確ではありませんが、やりとりの内容に相違はないはず。

 

「今お使いの楽器はどんな楽器お使いですか? 銀とか金とか」

「私そういうことさっぱり分からないんだけど」(…えっ! 分からないでH管欲しいってこと?…)

「今使っている楽器はリングキーですか、クローズドですか? ええと、キーに穴開いてますか?」(…多分、伝わらないと思うから言い直したんだろうなぁ)

「穴は開いてないです」

「今お使いの楽器は初めて使っている楽器ですか?」

「ああ、そうです」(H管も知らない上でクローズドで初めてだとすると、まだはじめたばかりの人だろうな…えっ、それでH管使いたいってこと?)

「今使っている楽器はこちらと一緒でボタンが2つだとおもうんですが、シが出る楽器はこちらご覧のようにボタンが3つなんですね」

「あー、これがそうなんですかー」

「試しに演奏してみます? 銀製の楽器で試奏出来ますので、今お出ししますね」

 

 その後、別予定があったので、この続きの展開を見たいと思いつつ後ろ髪引かれて店を出たんですが……クローズドでH管使うのあんまり聞いた事ないしなぁ…。

 今調べてみたら、クローズドで初心者向けの楽器でもH管付属の楽器はあるんだ。

 (メーカーによっては入門モデルでもH管付属可能のようです)

 プロの方でも、状況によってクローズドでH管使われる方もいるようですね。

 そしてH管を使うことのメリットとして「高音部の響き・音程の安定」があるとするのであれば、初心者が使う選択肢としてもあり得なくはないですね。

 勿論、初心者ではなくある程度の演奏技術がある人にとっては、第四オクターブ(通常の音域の更に上の音を発音することが出来ます)が安定するとか、替え指のパターンが増えるとかいうメリットもあるようですが。

 他にも通常のC管の場合は音色が明るかったり、H管は管長が長くなることから、レスポンスの抜けが重くなるんだろうなというメリット・デメリットがあるから、最初はC管使って、後からH管を選択して使えるようになるといいんでしょうね…。

 

 試奏に来た人がどういう経緯でH管求めてやってきたのかが興味尽きないのですが、会話のやりとり見てる限りで初心者は間違いないみたいなので、先生に習っていて、先生が使っている楽器と自分の楽器の違いが故に、先生と同じ楽器が欲しくなったとか、なのかな? とか想像してみたり。

 フルート吹きにとって、リングキーに変えたいとか、H管が使いたいとか、人によっては管体を洋銀→銀→金に変えたいとか、悩んだりするんですよね。

 そういう時に指導受けている先生がいるというのは非常に大きいですね。

 プロの先生に指導受ける事のメリットはまた別の機会に書こうとは思っていますが、経験あるプロに相談出来る環境というのは、案外大事だったりするものだと、自分の仕事的観点で見ても間違いないんだなと。

 あと、リングキーの事もまた別の機会に。

 

 楽器店にとってはここで頑張ればH管楽器お買い上げなところなので、頑張ってセールスして欲しいところではありますが。

 勿論、誠実であっては欲しいので、適切なアドバイスして頂いた上でですが(笑)

 

追記:

 経緯推測で「先生の楽器見て」であれば、「シの出る楽器」という表現で言うより楽器の形状で聞きに来る可能性が高く、キー3つある楽器という説明のところで「そうなんですかー」とは言わないですよね…。

 まあ、「その楽器私のと違いますよね」「そうこれ(H管)はシが出る楽器なんですよ」と言われ、その言葉を元に聞いてきたという推測も出来ますけども。

 まあ……やっはりどういう経緯で「シの出る楽器」を求めて来たのか気になる…。