フルート吹きが何やら記録を残したいようです。

フルート指導を受けている筆者が気づいたこと・書き残しておこうと思ったことへの公開記録帳。

プロ奏者の先生に指導を受けるメリット

 フルートを始めた当時、特定の先生に指導を受けるのではなく、基本的には所属している所の先輩から指導を受け、時々クリニック等でプロの先生から指導を受けたり、あるプロの先生と手紙のやりとりをして教えて頂いていた位で、特定の先生からフルートの直接指導を定期的に受けるという機会はありませんでした。

 

 長らく楽器に触れない期間があり、昨年の今頃フルート演奏に復帰するに際し、プロの先生に改めて指導を受けるかどうか、正直悩みました。

 仕事柄、コストの考え方でメリットがあるかどうか考えてしまうのですが、プロの先生に指導を受ける事にして一年経ちました。

 この一年の結果論で言うとこの判断は「大正解」でした。

 

 私がプロの先生に指導を受けて良かったと思う点を挙げておきます。

 

・基本の所作含めて間違えている所を指摘してくれる

 私は長いブランク期間があったため、初歩の初歩からやり直ししたいという希望を先生に伝え、それこそ姿勢から再指導を受けましたが、今まで普通にやっていたことが間違いであることを指摘し、修正してくれることは本当に有り難かったです。

 独習では教本やテキスト等を通して理解してやったつもりが、それが誤って理解して習得してしまった場合、誰も指摘してくれず、その結果身体に負担が掛かったり、演奏上で正しくない奏法で習得してしまい、後々苦労することになります。

 客観的にプロの視点で指摘し、指導をしてくれる。

 この点だけでもレッスン料払う価値があると思います。

 事実、その指摘を受け指導された結果、身体の負担も減り、かつ演奏技術も音質も明らかに改善されました。

 これははじめてフルートを学ぶ人にとっても重要なことで、最初から正しい技術で習得することは、身体の負担掛けず、かつ最短時間で技術習得していくことにつながっていきます。

 はじめてフルートを学ぶ人は出来るだけ先生から指導を受ける事をお勧めします。

 また、旧来先生から指導を受けていなかったフルート吹きも、先生に指導を受ける事で自分の抱えている問題点を指摘してくれ、改善する可能性が高いためお勧めしたいです。

 

・自分の抱えている問題点を一緒に解決してくれる

 私は最高音付近と最低音付近が安定して鳴らない問題を抱えていました。

 それが何故であるか、昔からずっと悩んでいたのですが、先生にそれを打ち明けた結果、自分の奏法の問題点を見つけて貰い、解決の道筋を見つけることが出来ました。

 今はネットが普及し、同様の悩みを抱えている人の経験論や指導している人の助言を参考にすることが出来ますし、それも大変有意義な事ですが、今の自分がどういった状況であるかということを元に解決することが何より解決の近道です。

 先生に指導を受ける事は、パーソナルヘルプデスクを持っているのと同様なので、自分の悩みを幾らでも質問出来る環境があると考えても良い訳です。

 勿論解決のためには自分の努力を要する事も多々あるでしょうが、すぐ質問出来て、解決するための方策を個人個人に合わせた形で指導受けられる事で、悩む時間を練習に充てる事が出来る分効率的に取り組む事が出来るようになります。

 数年問題に悩むより、悩みの解決方法をすぐに聞いて対策に取り組める分、時間的コストを考えた場合、圧倒的に習得に掛かる時間の差が出てきます。

 

・課題を解決していくことのモチベーション維持

 次のレッスンまでの課題が出され、それが何のための課題であるか認識して練習を進めていく事になりますが、これは確かな技術習得のプロセスを客観的に認めて貰う事にもなり、かつそれがモチベーションにつながっていきます。

 客観的に課題を解決出来ているかを先生にジャッジしてもらう事で、何となく出来たと思って進むのではなく、確かな技術習得を認めて貰うことが出来ます。

 その結果、確かに技術向上していることを自分でも実感出来るため、練習する意義が理解出来る分、練習の時間的密度も高くなるのです。

 客観的な判断を受けて習得を進められる事の意義は大きいです。

 ただ、なんとなく出来たではなく、先生に「OK」を認めて貰うためには、課題の意味を理解し、技術習得していくことが求められる訳で、その習得に時間掛かったとしても、習得出来た時の喜びは大きいですよ。

 

 細かいメリットも他に色々ありますが、私は少なくともレッスン料を払う分のメリットを充分に享受できていると感じているので、今後も先生の指導を受けていきたいと思っています。

 

 ただ、先生に指導を受けるに際して、以下の事は考慮した方がいいと思います。

 

・レッスンに通いやすい環境か

 多くの場合月に2〜4回通う環境になると思いますが、通うのに大変な場合、行くのに億劫になってしまわないかは考慮された方がいいと思います。

 

・練習するための時間と環境を確保出来るか

 レッスンは練習をする場ではありません。技術を指導して貰う場になります。

 課題は各自が持ち帰って練習し、レッスンは技術習得出来ているか確認をしてもらうという場であることを念頭に置きましょう。

 つまり、レッスンで出された課題を練習するための時間の確保と練習環境を確保出来る事が必要となります。

 別の楽器のレッスン受けている友人曰く、「30分のレッスンなら、10倍の練習時間が必要になる」と言っていますが、私もそこは同感です。

 以前私の友人で、やはり楽器のレッスン受けていた人で、レッスンの練習時間は、レッスン直前の30分位だけ、と言っている人がいて驚いた事があります。

 勿論レッスンを受ける目的にもよるのでしょうが、こういったスタンスの場合は、習得の時間の進みが遅くなるのは理解しましょう。

 どんなに指導が素晴しい先生であっても、習得出来るかどうかは指導を受ける側次第であるということは忘れないようにしたいものです。

 

・指導を受ける先生が自分のスタイルと合うか

 先生とフィーリング合うか、なのですが、まず先生に指導受ける時に「自分が何の目的で先生に指導を受けようとしているのか」出来るだけ明確な目的は伝えた方がいいです。

 先生も目的に合わせて指導をしてくれるはずで、そこを伝えずにお互いレッスンの方向性が噛み合わなくて嫌な思いをして先生を責めるのは筋違いなはずです。

 難度の高い曲でも演奏出来るようになるために技術習得したいのか、それとも趣味として色々な曲を演奏して楽しみたいのか、楽団で演奏するための技術習得なのか、友達と一緒に曲を演奏するために必要な基礎を覚えたいのか。

 指導を受ける時の目的により教え方も指導の方向性も違うとも聞きます。

 あと…先生の性格と合うかどうかもあるので、可能であれば体験レッスンを受けるなど先生と波長合うかは確認した方がいいと思います。

 

 まあこの辺りの話は色々なblogでも取り上げられている話で、改めて私が書くまでもないとは思うのですが、少なくとも「先生に習った方がいい?」という質問に対しての一つの意見や回答として、実際に指導受けている立場からお答えしておこうかと。

 

 まあ先生からダメ出しされて凹むこともありますが、先生に指導受けていて楽しいのも事実だし、折角レッスン受けるなら楽しいに越した事ないので、レッスン受けようかなと思っている人は目的意識持った上で、楽しんで受けて欲しいと思います。